第1回 団塊サミット

【シンポジウム「自分の居場所」ハイライト】


▽パネリスト

    岡  進・NPO法人「自然塾丹沢ドン会」理事長、童話作家
    小林正美・「樹庵」社長、NPO法人・JUON(樹恩) NETWORK副会長
    佐川 旭・佐川旭建築研究所代表、木文化再生友の会世話人
    大東敏治・バンカーズパートナー社長
    丸茂 喬・マルモ出版社長、NPO法人・緑のダム北相模理事
▽コーディネーター 朝田くに子氏(「ローカル・ジャンクション21」代表)
▽ 総合司会  片桐 務・NPO法人「自然塾丹沢ドン会」専務理事、夢工房代表

朝田 今日は「自分の居場所」を探ってみたい。等身大の自分と社会をどのように折り合いをつけてきたのか?また、個で動くことのなかった人たちが、地域に即、入れるのだろうか?

大東 巨大企業の中で、ほとんど「クビ」寸前までいったが、自らを作り上げ、自己実現をしてきた。団塊はブームを作る一方で、社会に被害をもたらしてきたのではないか。高度経済成長の推進役として、ブルドーザーのように自然を破壊するという罪を犯した。団塊には社会を、自然と人間が共生できる状態に戻す使命がある。

  昭和19年生まれだ。「団塊は加害者」という言葉が出たが、団塊の上にいた私たちの世代が一番、悪かったかも。近所に定年退職後、外に出ないので、一度も顔を合わしたことのない人たちがいる。肩書きがないと社会と交流できないから、外に出れないのだと思う。存在価値、イコール居場所だ。一生懸命、居場所探しをした方がいい。「自然塾丹沢ドン会」はその受け皿になる。

小林 今の学生は生きる力が弱い。生活体験、失敗体験がないからだ。ちょとでもけがをすると死ぬようなことをいう。「生活学校を開きたい」という夢を持って、既に故郷の岐阜県に帰って仕事をしている。都会の生活と田舎の生活はそれぞれ難しい。
都会は過密、つまり人と人との距離が近すぎて大変だ。田舎は遠いから、淋しい。距離感が問題だ。

佐川 心の中に風景(故郷)を持っている人は強い。団塊の世代がそうである。若い人にはそれがないから弱い。でも、学生に伐採体験をさせると顔つきが違ってくる。日本は「動脈的社会」から「静脈的社会」に変化している。自分の立場を5センチ、あるいは10センチ変えてみる。そうすると自分の居場所が見つかるのではないか。

丸茂 都市に生活している私たちこそ森が必要であり、団塊の世代こそ田舎暮らしで自然体験をした最後の砦ともなる世代である。それを体験していない世代に伝えていくことが私たちの使命であり、その活動の中に「自分の居場所」としての「ふるさと」がある。「緑のダム北相模」の定例活動日は、参加者の笑い声が絶えない。参加を歓迎する。

西山 朝、霞ヶ関に出勤してくる人たちの顔を見ていると、ひきつっている。人と人との距離の適正なバランスが取れていなからだ。この人たちの一番いい顔は新橋の飲み屋にいる時だ。職場が最高の「ネタ」になっている。団塊世代には人と人とのストレスのバランスを直す、言葉を換えれば「笑顔を取り戻す」ために大きな役割を果たすことを期待したい。


第1回団塊サミット開催報告【主催者挨拶】■基調講演・691万人団塊の行方(要旨)シンポジウム「自分の居場所」ハイライト【声】(北鎌倉湧水ネットワークへのメールから)写真集

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